おしえて!瀬川さん<br>さびしくても家族の認知症を受け入れ、互いに幸せに過ごすために
2016.10.07  |  

おしえて!瀬川さん
さびしくても家族の認知症を受け入れ、互いに幸せに過ごすために

杏:先日、家族が認知症になったらどう接したらいいのか?というお話をうかがいました。コミュニケーションのポイントはわかりましたが、やっぱり家族にとっては、その人がもう別の世界に生きていることを認めるのって難しそうですね。

瀬:そうですね。同じ空間にいながら現実を共有できないのは悲しいですよね。こっちの世界に戻ってほしい、前の相手に戻ってほしいっていうさびしさや切なさはあるでしょうね。

杏:認知症って、見た目で変化がわかるわけじゃないですよね。だから余計受け入れるのが難しそうで…。

瀬:見えないところが壊れているのだから、どうしても今まで通り接しちゃうわよね。ケアする側が「病気なんだ」と受け入れないとイライラが増えちゃう。でも怒ったって仕方ないのも事実ですよね、それで病気が治るわけでもないのだし。

杏:お互いにイライラしたり悲しんだりすることが少なく、残りの時間をいっしょにいたいですよね。

■ 認知症になっても、感情は残っている


瀬:家族も認知症のひとに対して「また忘れちゃったんだね〜」と冗談にできるくらいの余裕があるといいなと思います。わたしは母が高齢なんだけど、もし母がこれから認知症になったら自分はそうしたいなと思ってるの。


杏:おお、なんだかいいですね。悲しいことも笑いにできると、悲壮感が漂わなくて。

瀬:もちろん母が認知症になったら悲しいと思うけどね。でも本人はもっと悲しいだろうと思うから、わたしが明るく接することで安心感を与えられたらいいなと。実際に体験していないから、これは綺麗事かもしれないけれど。

杏:はい。

瀬:と言ってもね、認知症の人はいろんなことを忘れても感情は認知できるので、自分の感情は率直に伝えたいなと思います。「そっか忘れちゃったか、困ったな〜」という感じでね。

杏:認知症になって現実世界の細かいことはもうわからなくても、大事に思われているか、大切に扱われているかということはやっぱり感じ取れるんでしょうか。

瀬:認知症になっても感情だけは豊かに残っているようですよ。ひとの感情を読み取れるから、目の前のひとが怒ると「あ、この人はしょっちゅう怒ってるな」と思って落ち着かなくなってしまう。

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■ どんな状態になっても一人の人間として尊重を


瀬:自分が壊れていく不安・恐怖を感じている状況で家族に頼りたいのに、大声で怒鳴られたり、何度も注意されたり叱られたりしたら、精神的に不安定になるし、強い孤独感を感じて行動が消極的になりますよね。


杏:そうなんですね。

瀬:相手を「怖い人」「いつも怒る人」と認識すると、何も話さなくなってしまう。

杏:はい。

瀬:それに認知症を患っても何もかもわからなくなるわけじゃなくて、自分でも何かがおかしいっていう自覚があるから、怒られたりするとプライドも傷ついてしまうのよね。

杏:本人もわけがわからなくて、辛いでしょうね。

瀬:特に初期の段階では、自分が壊れていくのがわかるし、家族に迷惑をかけたくない気持ちもあるんですよ。同時に、自分の弱みや壊れていくさまを他人に見せるのは恥ずかしいという思いも持っていますよね。

杏:自分の変化に自覚があるっていうのは意外です。いきなり全部を忘れてしまうわけではないんですね…。

瀬:だから家族が認知症になったら、一人の人間として尊重し、上からものを言わないとか、目線をあわせて話すということが大事だと思います。

杏:「このひとは認知症なんだからどうせ何もわからない」と思って、ぞんざいに扱ったりしてはいけないんですね。

瀬:そうです。

杏:わたしはものすごくおばあちゃん子で、今でもよく遊んでもらっているんです。気丈で元気な祖母だけどもう80歳を過ぎているし、認知症になってわたしのことがわからなくなったらって、考えたくないというか…考えただけでぞっとするほどさみしいです。

瀬:わたしも母がわたしのことを忘れたらと思うととってもさみしい。

杏:でも瀬川さんのお話を聞いて、身近なひとが認知症になっても「こう接したい」「こういう時間を一緒に過ごしたい」と想像できるようになりました。


今日のまとめ

1. 認知症は変化が目に見えにくいため今まで通り接しがち。でも「病気なんだ」と受け入れる
2. 認知症でも感情は残っているしプライドもある。むやみに怒らず、相手を尊重する



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中村 杏奈

「famitalk」を家族の絆を深めるアプリへと育て広める志をもち、新卒で入社した第一号社員。幸せな家庭をもつことが夢の一つ。

瀬川 文子

継母としての子育て経験を通し、お互いが分かり合えるコミュニケーションの大切さを、講演、研修、著作で伝えるコミュニケーションインストラクター。

 

 

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